最近「リバースモーゲージ」が再び注目され始めています。
休みにボケーッとHP巡りをしていたら「リバースモーゲージ」なる金融手法をふと目にしました。主に信託銀行で取り扱っており、僕の勤務する銀行には全然関係ない話なんだろうけどちょっと知識つけておこうかなと思って、調べてみました。
高齢者が持ち家を担保に生活資金を借り入れる金融商品。
この「リバースモーゲージ」とは、高齢者が自らの持ち家に住み続けながら、それを担保に老後の生活資金を借り入れ、
原則として本人の死亡時に、その住居を売却することにより借入金を清算(元利一括返済)する金融商品です。バブルが崩壊、長引くデフレによる資産運用の低迷、少子高齢化による年金不安の増大などから、漠然とした将来不安や病気、不測の事態に対する怯えのため、蓄えを崩せず、現金収入も少ない高齢者が、持ち家など保有している不動産を担保にして、年金のような形で毎月の生活資金の融資を受ける制度で、住み慣れた自宅を手放さずに住みながら、老後の生活資金を受け取れる点にこの制度のメリットがあります。このように不安を抱える高齢者を受け皿とした金融商品として注目されているようです。
当然のことですが、リバースモーゲージを利用すれば、自分の住んでいる土地・家を子や孫に残すことはできません。日本では基本的に「相続」という観念が定着しているので、この制度がどこまで浸透していくのかは疑問ではあるのですが、不動産の流動性を高める点では浸透していって欲しいなと個人的には思っています。
普及が遅れている要因とは?
かつて昭和五十六年に東京都武蔵野市が自治体として初めてリバースモーゲージを導入したことがあった。民間金融機関も参入したのだがバブル崩壊による不動産価格の急落で担保価値割れが相次ぎ、ビジネスとしては事実上撤退した歴史がある。しかし近年、高齢化や年金不安の高まりに加えて、地価下落が底を打ったことを背景に見直されつつある。そんな流れの中にありながら、普及が遅れているのは何故なのだろうか?
ひとつは「欧米に比べて中古住宅の流通市場の整備が進んでいない」という点。日本では住宅の評価基準がなきに等しく、建築後十五年から二十年たてば家屋の評価額は事実上ゼロ。これでは評価しようにも、評価がないため制度利用が促進されていかない。これは国の住宅政策が抜本的に変わらないと普及は難しいそうだ。
銀行で住宅ローンを取り扱ってますが、今まで中古住宅購入というのはしたことがないんですよ。田舎なんで、基本的に一生保有で先祖代々ってのが通念で中古物件なんてなかなか出回ってないのもあるんですけどね。中古住宅なんて年数経過してしまえば、納得いく価格での売却なんて出来ないってのがやっぱ要因ですよね。
もうひとつは「金融機関がきちんとリスクヘッジできるか」という点だと思います。商品性格上、ノンリコースであるべきなので、連帯保証人の無徴求や担価割れ時に追加担保の徴求・追加融資の停止などは行わずに、そのリスクを金融機関がとれるのかどうかということ。そして、平均余命の長期化により、そのリスクは増大していく一方。金融機関としては二の足を踏んでしまう要因ばかり。普通に考えたら、回収までの期間も長いし、時間経過につれて債権額が増大するし、管理も面倒なような気がするしね。これらの問題点をクリアしながら商品開発をしていけば、高齢者(近くは団塊の世代)にとって魅力ある商品を提供できるチャンスではないだろうか。
相続人がなんて言うか…。
自分の子供に反対されそう。てーか、自分の資産なのに「相続信仰」というか「親の土地は子供の土地」的な継承思想とか、都合のいい解釈と通念が蔓延っているんだろうな、日本って。